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遺留分侵害額請求のルール

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2020年9月25日

1 遺留分侵害額請求とは

遺言書によって,多くの遺産が特定の人の手に渡るようなケースでは,遺留分侵害が問題になります。

遺留分には様々なルールがあり,相手方から請求された金額を支払わなくて良いケースや,減額できるケースがあります。

2 遺留分侵害額請求の5つのルール

⑴ 時効

遺留分は請求することができる時から1年間で時効になります。

時効が成立していれば,遺留分を支払う必要はありません。

民法改正により,一定の生前贈与に対する遺留分は原則として相続開始前10年間に限られることになりましたので,生前贈与に対する遺留分請求に対しては,時効が請求できる余地が広がりました。

⑵ 遺産の評価

遺産に不動産や非上場株式が含まれているケースでは,その評価が問題

となります。不動産には様々な評価観点,評価方法があり,また,建物が

老朽化しているケースでは,建物取壊費用や残置物処理費用等を差し引け

る場合があります。

遺留分の請求をされた場合は,不動産の評価額を交渉し,遺留分を減額する方法を考える必要があります。

⑶ 特別受益

遺留分請求者に特別受益がある場合には,特別受益の金額を差し引ける

ことになります。たとえば,遺留分の金額が3000万円である場合に,

遺留分請求者が3000万円以上の不動産を生前に贈与されていた場合に

は,遺留分を支払う必要はありません。

特別受益は,不動産に限られません。

多額の現金,株式等の有価証券,宝石といった財産を生前贈与された場合であっても,特別受益に該当する可能性があります。

⑷ 対象外の財産

原則として,生命保険金は遺留分の対象外となります。

そのため,特定の相続人に多くの財産を残したい場合,遺留分対策として,生命保険金を活用することがあります。

しかし,遺産の大半を生命保険金が占める場合には,遺留分の対象となるため,注意が必要です。

⑸ 寄与分

遺産分割の場面では,亡くなった方の介護などの後見に対して,一定の見返りを認める制度があります。

この制度を寄与分といいますが,遺留分の場面では寄与分は考慮されません。

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