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マンションの相続税

  • 文責:所長 税理士 田中浩登
  • 最終更新日:2025年5月23日

1 令和6年1月1日より前にマンションを相続する場合(マンションを自己使用目的で所有している場合)

⑴ 土地・敷地部分の評価

自己使用目的で分譲マンションを購入している場合は、原則、建物だけでなくその敷地についても購入していることとなっています。

そのため、マンションの相続税評価額を考慮する上で、その土地・敷地部分の評価が必要となります。

マンションの土地・敷地部分の評価額は

マンションの敷地全体の評価額×持分(敷地権割合)

となります。

「マンションの敷地全体の評価額」は、基本的には一般の土地の評価方法と同じです。

つまり、土地の所在場所ごとに定められた計算方法(「路線価方式」か「倍率方式」)によって、その評価方法は異なります。

この計算方法の調べ方は、国税庁のホームページにてその所在場所の「評価倍率表」から調べることができます。

参考リンク:国税庁・財産評価基準書路線価図・評価倍率表

「路線価」については、毎年7月頃に更新されますので、その相続した年の路線価を参照してください。

また、敷地権割合は、その土地の登記簿に記載されていますので、法務局に赴くか、インターネット上の登記情報提供サービス機関に申し込みを行うことで、確認することができます。

⑵ 建物部分の評価

マンション部分についての評価額は、

マンションの固定資産税評価額

となります。

マンションの固定資産税評価額は、毎年市区町村より交付される固定資産税評価通知書の「価格」を確認することで調べることができます。

なお、市区町村によっては、「評価額」など、記載方法が異なる場合がありますので、通知書に記載されています通知書の読み方を確認してください。

万が一通知書を紛失した、まだ届けられていないなどといった事情がある場合は、その不動産を管轄する市区町村の公的機関に対して評価証明書を申請することで確認することができます。

参考リンク:主税局・固定資産に関する証明等(23区内)

このとき、自分が部屋としている部分、いわゆる「専有部分」のみの評価しか書かれていないように見えたとしても、その評価額には住民全員で使うホールやエレベータ部分など、いわゆる「共用部分」も含まれていますので、心配する必要はありません。

そして、上記⑴の土地・敷地部分の評価額と建物部分の評価額の合算したものが、令和6年1月1日より前に相続したマンションの相続税評価額となります。

2 令和6年1月1日以降にマンションを相続する場合

⑴ マンションの評価計算式

令和6年1月1日以降は、マンションの価格について、上記計算式では、考慮されていなかった事情(築年数、総階数、所在階数、専有部分の面積、敷地面積、敷地権割合)を考慮した区分所有補正率を上記「1」の計算式に加えて考慮することとなりました。

つまり計算式としては、以下のとおりになります。

土地部分の評価額(1の⑴)+建物部分評価額(1の⑵)×区分所有補正率

⑵ 区分所有補正率の計算方法

評価水準=1÷評価乖離率

評価乖離率=―A+B+C―D+3.220

A:築年数×0.033 (築年数1年未満は築年数1年)

B:総階数÷33×0.239 (総階数÷33が1.0を超える場合は1.0)

C:対象住戸の所在階×0.018 (地階は0)

D:敷地利用権の面積÷専有面積(敷地持分狭小度)×1.195

そして、評価水準毎に計算式が以下のとおり異なります。

評価水準が1を超える:区分所有補正率=評価乖離率

評価水準が0.6以上1以下:区分所有補正率=1(補正なし)

評価水準が0.6未満:区分所有補正率=評価乖離率×0.6

参考リンク:国税庁・居住用の区分所有財産の評価について

3 賃貸マンションの相続税評価の場合(投資目的でマンションを保有していた場合)

賃貸マンションの場合は、借り手がいるため、自由に処分することができなくなっている分、上記評価額より減額がなされます。

具体的には、以下のような修正が加わります。

※マンションの1室を所有し、それを人に貸している場合

建物部分=相続税評価額×(1-0.3(借家権割合))

土地部分=相続税評価額×(1-借地権割合×0.3(借家権割合))

借家権割合は、全国一律0.3となっております。

借地権割合は、路線価図又は倍率表から確認できます。

※マンションを1棟所有し、部屋ごとに人に貸している場合

建物部分=相続税評価額×(1-0.3(借家権割合)×賃貸割合)

土地部分=相続税評価額×(1-借地権割合×0.3(借家権割合)×賃貸割合)

賃貸割合は、人に貸している割合のことで、例えば、相続時に10室あるマンションを9人に貸している(9部屋埋まっている)場合の賃貸割合は、90%(0.9)となります。

4 土地の評価については、他にも考慮要素がたくさんある

「1」の土地については、計算方式が2つあるとだけ説明しましたが、実際には、多くの考慮要素が多くあります。

たとえば、そのマンションを相続する人は誰か(小規模宅地の特例の有無)、その土地の大きさは大規模土地に当たるか、土地の周囲の状況、形状によっても評価額は変化します。

それだけ、土地の相続税評価は複雑なものになりますので、土地をお持ちの場合の相続の際には、評価については慎重に行うために、税理士に相談されることをおすすめいたします。

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